アルカリシリカ反応によって起こる構造物の劣化現象

建築物や壁などで多く使用されているコンクリートですが、ひび割れをしているのをよく見かけませんか?
実はひび割れは、アルカリシリカ反応という化学反応が原因で起きている現象です。
そこで今回は、アルカリシリカ反応によって起こる構造物の劣化現象について解説していきます。
▼アルカリシリカ反応とは
コンクリートに含まれる、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ性溶液とシリカ鉱物の反応によって、アルカリシリカゲルが生成されます。
このアルカリシリカゲルがコンクリート内の水分を吸収し、膨張することでひび割れを起こす現象がアルカリシリカ反応です。
▼アルカリシリカ反応によって起こる構造物の劣化現象
アルカリシリカ反応によって、湿度・温度などの環境や、拘束力によってさまざまな劣化が生じます。
主にひび割れという形で劣化が表れますが、それ以外の現象も確認できます。
◼︎ひび割れ
無筋コンクリートは鉄筋による拘束力がないため均等に膨張し、120°の角度で発生する亀甲状のひび割れが発生します。
鉄筋コンクリートは、コンクリートが膨張する際に主筋に大きく拘束されるため、筋に沿ったひび割れが生じるのが特徴です。
■強度の低下
アルカリシリカ反応が長期に渡って進行すると、コンクリート内部でもひび割れが発生しコンクリートの強度の低下に繋がり危険です。
■変位・変形
コンクリート内のアルカリシリカゲルが水分を吸収することで膨張し、構造物自体の変位・変形を生じます。
▼まとめ
アルカリシリカ反応とは、アルカリ性溶液とシリカ鉱物の化学反応によって引き起こされる劣化現象のことを指します。
主な現象はひび割れですが、それ以外にも変位・変形や強度の低下などさまざまな構造物の劣化を引き起こしてしまうのです。
少しずつ進む劣化は気づきにくく、大規模な補修が必要となる場合もあります。
劣化を防ぐためには定期的に点検をし、構造物のひび割れなどを見かけた際にはすぐに業者に連絡しましょう。

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