「打設」という言葉をご存知でしょうか?
打設とは、生コンクリート(固まる前のコンクリート)を型枠などに流し込む工程のことです。
生コンクリートは気温や雨の影響を受けるので、気候によって適切な打設方法が異なります。
気候に合わせた適切な打設方法とは、どのような方法なのでしょうか。
▼コンクリート打設と気候の関係
コンクリート打設に影響を与えるものとして、打設中の雨と気温が挙げられます。
雨はセメントと水の配分に影響し強度が変わってしまうため、雨天時の打設作業を避ければ問題ありません。
また気温に関しては、一般的に暑中コンクリートと寒中コンクリートの2種類を使い分けて打設を行います。
■暑中コンクリート
日の平均気温が25℃以上の時に使用する、温度の上昇に配慮したコンクリートのことです。
気温が高いと表面の水分蒸発に伴ってひび割れが生じるので、35℃以下のセメント・低温の水・材料を使用します。
またコンクリートの急激な水分蒸発・乾燥を防ぎ、綺麗な仕上がりにするために散水を行います。
■寒中コンクリート
日の平均気温が4度以下の時で、凍結の恐れがある場合に使用するコンクリートです。
製造や荷卸し過程で凍らないよう配慮し、打設時に5~20℃になるように水や材料を加熱して使用します。
初期凍結を防止し強度が得られるようになるまで、コンクリート温度は5℃以上を保ちましょう。
また固まるまでは断熱性の高いマットなどで、コンクリートの周囲を覆う保温養生を行う必要があります。
▼まとめ
生コンクリートの打設は気候、特に気温に大きく左右されます。
気温が高い時期は温度の上昇に配慮した暑中コンクリートを使用し、コンクリートの乾燥を防ぐ散水で対応します。
反対に気温が低い時期は、寒中コンクリートを凍結しない温度に保ち施工箇所を保温することが重要です。
コンクリート打設には、その期間の気候に適した材料と対処が求められるので注意して行いましょう。