コンクリートの中性化とは

コンクリートは水・セメント・粗骨材・細骨材を練り合わせたもので、建築土木現場で広く用いられます。
生活に欠かせないものだからこそ、工事後の劣化について心配される方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、劣化の原因のひとつである「中性化」について解説していきます。
▼コンクリートの中性化とは
コンクリート内部には水酸化カルシウムが多量に存在し、アルカリ性となっています。
中性化とは、最初はアルカリ性であったコンクリートが中性に近づく現象です。
中性化が進みコンクリート内の鉄筋に達すると錆が発生し、ひび割れや腐食につながることがあります。
■原因
空気中の二酸化炭素がコンクリートに触れると、アルカリ性化合物の水酸化カルシウムが炭酸カルシウムと水へと変化します。
このような化学反応により、コンクリートのアルカリ性が失われることで中性化を引き起こします。
コンクリートの持つアルカリ性が失われると、鉄筋の表面を覆っていた酸化被膜が破壊され腐食していきます。
■対策
中性化を防ぐためには、二酸化炭素をコンクリート内に侵入させないことが大切です。
水セメント比を低くしてコンクリートの密度を上げたり、鉄筋までの厚さを調節するなどの対策方法があります。
またコンクリートの表面を、合成樹脂や専用の防水材などで被覆するのも効果的です。
▼まとめ
中性化とは、アルカリ性であったコンクリートが化学反応により中性に近づくことです。
空気と接触している限り、このような劣化はどこでも起こり得ます。
中性化が進行すると内部の鉄筋に錆が発生し腐食していき、ひび割れにもつながるので放置すると大変危険です。
劣化が進行している場合は、程度に応じた修復を行いましょう。

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